小児矯正は何歳から始めるのがよい?年齢別の目安と治療のポイント | 札幌東区東苗穂の歯科・歯医者よな歯科クリニック

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09.16 Tue

小児矯正は何歳から始めるのがよい?年齢別の目安と治療のポイント

お子さまの歯並びや噛み合わせについて「矯正はいつから始めればいいの?」と悩まれる保護者の方は多くいらっしゃいます。早すぎても意味がないのでは、遅すぎて手遅れになったらどうしよう…そんな疑問に対して、適切なタイミングを見極めるには、歯の生え変わりや成長発育のステージに合わせた理解が大切です。

本記事では、小児矯正の開始時期について、年齢の目安や症例別の違いをわかりやすく解説します。また、早期相談のメリットや注意すべきサイン、よな歯科クリニックでの対応方針についてもご紹介します。

小児矯正は何歳から始めるべき?

一般的な開始時期の目安は?

小児矯正を始める目安として、最も多く推奨されているのは「6歳から8歳ごろ」とされています。これは、乳歯から永久歯への生え変わりが始まり、あごの骨格も成長段階にあるため、骨の柔軟性を活かした矯正ができるタイミングだからです。

この時期は「混合歯列期」と呼ばれ、乳歯と永久歯が混在している状態です。歯が生え変わる途中で問題が見つかった場合でも、成長を利用しながら治療を進めることで、比較的負担の少ない矯正が可能になります。

ただし、実際の治療開始時期はお子さまの発育状況や歯並びの状態によって大きく異なるため、年齢だけで判断するのではなく、まずは専門的な診断を受けることが重要です。

早く始めすぎても問題ないの?

「なるべく早く始めたほうがいい」と聞くと、乳歯が生えそろった3歳や4歳のうちから矯正を検討される方もいらっしゃいますが、早すぎる開始は必ずしも効果的ではありません。

小児矯正は、あごの成長をコントロールしたり、永久歯が正しく並ぶスペースを確保したりすることを目的としています。そのため、永久歯の生え変わりが始まる前に治療を始めても、治療の目的が達成されにくく、長期的にみると非効率になることもあります。

ただし、明らかな問題(例えば、受け口や顎の左右非対称など)がある場合は、3〜5歳ごろでも相談や経過観察が必要なケースがあります。早期から経過を見守ることで、タイミングを逃さず適切な治療に移行できるのが理想的です。

受け口・出っ歯など症例ごとの開始タイミング

お子さまの歯並びの状態によって、適切な治療開始の時期は異なります。ここでは代表的な症例ごとに、一般的な開始時期の目安を紹介します。

● 受け口(反対咬合)

3〜6歳ごろの早期対応が推奨されます。放置すると骨格的な問題につながることもあり、早期の装置使用や筋機能訓練で改善が期待できます。

● 出っ歯(上顎前突)

6〜9歳ごろの混合歯列期に始めるケースが多く、あごの成長バランスを調整しながら、前歯の突出をコントロールします。

● 叢生(歯のガタガタ)

永久歯が生える前にあごの幅を広げることで、歯がきれいに並ぶスペースを確保します。これも6〜9歳ごろが多いです。

● 開咬(前歯が閉じない)・交叉咬合(ずれた噛み合わせ)

原因によっては早期の対応が必要です。指しゃぶりや舌癖など生活習慣に関わる場合もあり、5〜8歳ごろの習癖改善と並行した矯正が行われることがあります。

症例によっては、早く治療を始めることで歯を抜かずに済む可能性が高まり、将来的な矯正の負担も軽くなることがあります。逆に、急いで装置をつけることがベストとは限らないため、医師の判断のもとで方針を立てていくことが大切です。

小児矯正の「1期治療」と「2期治療」の違い

1期治療(5〜10歳)の目的と特徴

小児矯正は大きく「1期治療」と「2期治療」に分けられます。
  1期治療は、永久歯が生えそろう前の5〜10歳ごろに行われる矯正で、「あごの成長誘導」や「永久歯が正しく並ぶためのスペース確保」を目的としています。

この時期の矯正では、ブラケットを使った本格的な治療ではなく、拡大装置や筋機能トレーニング、取り外し式の装置などを使用することが一般的です。成長のタイミングに合わせて、骨格や噛み合わせのバランスを整えていくため、将来的な歯並びの問題を軽減できる可能性があります。

また、1期治療では「歯を抜かずに済む可能性が高くなる」「2期治療が不要になる、もしくは簡単になる」といったメリットもあります。

2期治療(10歳以降)の目的と特徴

2期治療は、永久歯が生えそろったあと(おおよそ10〜13歳以降)に行われる矯正で、歯並びそのものを整える本格的な治療段階です。歯列矯正装置(ブラケットやマウスピースなど)を用いて、歯を理想的な位置に動かしていきます。

すでに骨格の成長が落ち着いていることが多いため、あごの発育を利用した矯正ではなく、歯の移動が中心になります。1期治療を受けていない場合でも、2期治療からのスタートで改善が見込めるケースも多くありますが、症状によっては治療期間が長くなったり、抜歯の必要が生じることもあります。

それぞれのタイミングと効果の違い

1期治療と2期治療では、目的も治療方法も異なります。

比較項目1期治療2期治療
対象年齢5〜10歳10歳以降
主な目的あごの成長を整える、スペース確保歯列を整える、見た目の改善
装置取り外し式装置、拡大床、プレオルソなどブラケット、マウスピースなど
永久歯の抜歯の可能性少ない症例によって必要になることも
治療期間1〜3年1〜3年(症例により異なる)

1期治療は必ずしも全員に必要ではありませんが、あごの成長コントロールや癖の改善が早期にできるため、メリットは大きいです。専門医の診断を受け、将来的にどのような矯正が必要になるか見極めたうえで判断することが望ましいでしょう。

早期の矯正相談がおすすめな理由

あごの成長を利用できる

小児矯正の大きな利点は、成長期のあごの柔軟性を活かせることです。あごがまだ発育途中の段階であれば、骨格のアンバランスを自然なかたちで整えることができ、将来的な噛み合わせの不具合を未然に防ぐことができます。

たとえば、上下のあごのバランスが悪い場合、早期に拡大装置などを用いて成長方向を誘導することで、後々の大がかりな治療(抜歯や手術)を回避できる可能性があります。

抜歯や本格矯正を回避できる可能性がある

永久歯が生えるスペースが不足していると、歯が重なって生えてきたり、ねじれてしまう「叢生(そうせい)」が起きることがあります。これを予防するために、1期治療ではあごを広げる装置を使って、永久歯が正しく生えるための「場所」を確保します。

適切なタイミングでこの処置を行うことで、将来的に歯を抜かずに済む可能性が高まったり、2期治療が短く済むことがあります。

本人のコンプレックスや発音にも配慮できる

歯並びの乱れは、見た目だけでなく、お子さまの心理面にも影響を与えることがあります。前歯が大きく出ていることで笑うのをためらったり、友達との関係に自信を持てなかったりすることもあります。

また、発音や咀嚼(そしゃく)に問題が生じている場合、早期に対応することで機能面の改善も期待できます。矯正治療は、単なる見た目のためだけでなく、お子さまの健やかな成長を支える重要な手段です。

小児矯正の注意点

小児矯正には多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もいくつかあります。

まず、成長段階にあわせて治療を進めていくため、治療期間が長くなるケースもあります。また、矯正装置に慣れるまでは違和感を覚えたり、装着中に軽い痛みを感じることもあります。

さらに、お子さま自身が装置の使用や通院にきちんと協力することが、治療の成功には不可欠です。ご家庭でのサポートも大切になってきますので、ご家族で理解を深めながら取り組んでいくことが重要です。

こんなサインがあったら一度ご相談を

矯正治療が必要かどうかは、見た目だけでは判断がつかない場合も多くあります。ただし、以下のようなサインが見られる場合は、早めに歯科医院で相談されることをおすすめします。

口呼吸をしている

お子さまが日常的に口をポカンと開けていたり、寝ているときに口呼吸をしている場合は、歯並びやあごの発育に影響を与えている可能性があります。鼻呼吸がうまくできないことで、上あごの発達が妨げられ、出っ歯や開咬の原因になることもあるため注意が必要です。

前歯でうまく噛めない・上下の歯がかみ合っていない

食事の際に「前歯で物が噛みちぎれない」「しっかり口を閉じても上下の前歯が接触しない」などの様子が見られる場合、開咬(かいこう)や反対咬合(はんたいこうごう)の可能性があります。これらは、早期に対応することで改善しやすいケースです。

あごが左右にずれている・かむと顔がゆがんで見える

かみ合わせたときにあごが横にずれている場合、交叉咬合(こうさこうごう)と呼ばれる状態のことがあります。これはあごの非対称な成長を招く可能性があるため、見逃さず早めの診断が大切です。

上記のようなサインは、年齢に関係なく現れることがあります。少しでも気になる点があれば、「相談だけでも大丈夫ですか?」という軽い気持ちで一度歯科を受診されるのが良いでしょう。

どのタイミングでもまずは無料相談を

「何歳から始めるべきか分からない」「治療が本当に必要か判断できない」——そうしたお悩みこそ、専門家の視点でしっかりとアドバイスいたします。よな歯科クリニックでは、小児矯正に関する無料相談も承っております。お子さまの成長を見守るパートナーとして、いつでも気軽にご相談ください。

専門医によるお子さまに配慮したやさしい診療

当院では、お子さまの不安や緊張に配慮しながら、優しく丁寧に診療を行っています。治療時の説明も、なるべく分かりやすく、保護者の方とのコミュニケーションを大切にしています。

矯正装置の着脱や痛みへの心配に対しても、事前にしっかりと説明を行い、無理のないスケジュールで進めていきます。お子さまにとって「怖くない歯医者さん」であることが、継続的な治療には何より重要だと考えています。

地域密着型のクリニックだからこその丁寧なフォロー

よな歯科クリニックは、地域のお子さまの健やかな成長をサポートする存在でありたいと考えています。矯正治療は一度きりの処置ではなく、数年にわたって通院が続くこともあります。

そのため、通いやすさや相談のしやすさ、そして日常的な変化にも気づける「かかりつけ歯科医」として、長期的な視点でサポートを行っています。お子さまのペースに寄り添った丁寧なフォローを心がけております。

まとめ|最適な開始時期はお子さまによって異なります

小児矯正を始めるベストなタイミングは、お子さまの年齢だけでなく、歯の生え変わりの状況やあごの発育、生活習慣などによって変わります。「6〜8歳ごろ」が一般的な目安とされますが、症例によっては3〜5歳でも経過観察が必要な場合もあれば、10歳以降の本格治療が適しているケースもあります。

最も大切なのは、「気になったときにまず相談してみること」です。早めに診てもらうことで、治療の必要があるのかないのか、必要ならどのタイミングで行うのがよいのかが明確になります。

よな歯科クリニックでは、お子さまの成長に寄り添いながら、無理のない、納得のいく矯正治療を提案しています。歯並びやかみ合わせが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。